学校検診・企業検診で「異常なし」でも油断してはいけない理由

定期的に歯科医院へ通うべき“本当の理由”


「歯医者って、痛くなってから行くところでしょ?」
「会社の健康診断で“異常なし”だったし、大丈夫だと思う」
そんなふうに思っていませんか?

実はそれ、とても危険な思い込みです。

学校の歯科検診や企業の健康診断で「異常なし」と診断されたからといって、必ずしもお口の中が完璧な状態とは限りません。むしろ“見えない異常”が潜んでいる可能性があるのです。

今回は、「なぜ定期的に歯科医院へ行くべきなのか?」を具体例も交えながら、丁寧に解説していきます。
読み終わる頃には、あなたの「歯医者への考え方」がきっと変わるはずです。


■「異常なし」が実は“異常あり”だった実例

ケース1:検診で異常なし → 実は虫歯が進行していたAさん(30代・会社員)

Aさんは会社の健康診断の際に行われた歯科検診で、「虫歯なし」と診断されました。
しかし、それから2年後、奥歯に違和感を覚えて歯科医院を受診したところ、歯と歯の間に進行した虫歯が見つかりました

「こんなに深くまで進んでいたなんて…」とショックを受けたAさん。結局、神経の治療(根管治療)と高額なセラミックの被せ物が必要になり、時間も費用も想像以上にかかってしまいました。

神経の治療は回数も期間もかかり、歯科医院への通院時間や期間が必要になります。
定期的に歯科医院を受診していれば防げたかもしれない、時間とお金の損失ですね。

ケース2:「歯茎が腫れてる?」と気づいた時には歯周病が進行していたBさん(40代・主婦)

Bさんは毎年学校の歯科検診を受けていた中学生の頃から「虫歯なし、歯ぐきも問題なし」と言われ続けてきました。社会人になってからは歯医者に行く機会がなく、気づけば10年以上歯科医院から遠ざかっていたといいます。

ある日、鏡で自分の歯を見ていて「歯ぐきが少し下がってきたかも?」と感じて歯科医院へ。
診断の結果は中等度の歯周病。すでに数本の歯がグラつき始めており、歯ぐきの中の骨も溶け始めていたのです。

「歯を失うなんて思ってなかった…」と語ったBさんは、今も定期的な通院と歯周病治療を続けています。

歯は失ってから、その大切さに気づかれる方もいらっしゃいます。
でも一番良いのは失う前にその歯の価値を知っておくことだと思います。


■ 学校・企業の検診では“限界がある”理由

上記のようなケースは、決して珍しくありません。
その背景には、学校や企業の歯科検診の性質と限界が関係しています。

◎ 限られた時間・設備でのスクリーニング

学校や職場で行われる歯科検診は、短時間で多くの人を診なければなりません。
事実当院で担当する学校検診は約250人を2〜3時間程度で検診しております。
つまり単純計算で一人につき30秒ほどしか確認する時間はありません。
そのため、多くは以下のような簡易チェックにとどまっています。

  • 鏡とライトだけで目視確認
  • レントゲン撮影なし
  • 歯周ポケットの測定なし
  • 歯石や着色の除去は行わない

つまり、「問題がありそうな人を見つける」ためのざっくりとしたチェックにすぎないのです。

◎ “見えない異常”は見逃されやすい

特に見逃されやすいのが、

  • 歯と歯の間にできた虫歯
  • 奥歯のかみ合わせ面の小さな虫歯
  • 歯周病の初期症状(歯ぐきの腫れ・出血)
  • 詰め物・被せ物の劣化やすき間

こうした症状は、レントゲンや精密な検査がないと発見できません
また、歯科検診では実質欠損つまり穴が空いている虫歯を虫歯と診断し、歯の間にできている虫歯は要観察歯つまり虫歯が怪しい状態と診断されることもあります。しかし実際には歯と歯の間にできている虫歯は大きい虫歯になっていることも多いです。
そのため、「検診では大丈夫だったけど、実は…」という事態が起きるのです。


■ 歯科医院での定期検診では“ここまで分かる・できる”

では、実際に歯科医院での定期検診ではどんなことをしているのでしょうか?

① 精密な虫歯チェック

  • 歯の隙間や裏側もチェック
  • レントゲンで目に見えない虫歯の確認
  • 初期虫歯はフッ素で経過観察することも

② 歯周病の検査

  • 歯周ポケットの深さ測定
  • 出血の有無、歯の動揺を確認
  • 歯石やバイオフィルムの除去

歯周病は自覚症状がないまま進行するため、定期的な検査が非常に重要です。

③ クリーニング(PMTC)

  • 専用器具による歯石除去
  • 着色(コーヒー・タバコ)もキレイに
  • フッ素塗布による再石灰化サポート

定期的なクリーニングで、口内環境は驚くほど清潔に保たれます。

④ 噛み合わせ・詰め物のチェック

  • 歯ぎしりや食いしばりの兆候確認
  • 詰め物のズレや劣化
  • インプラントや入れ歯の状態確認

将来的なトラブルを未然に防ぐための重要なステップです。


■ 定期検診は「治療」ではなく「予防」

「歯医者=痛い治療」というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、定期検診は**“治療のために行く場所”ではなく“治療しないで済むように行く場所”**なのです。

そしてその定期検診を行うことによって、さまざまなメリットを享受することができるのです。


■ 健康だけじゃない。定期検診がもたらす“経済的メリット”

定期的に歯科医院へ通うことは、結果的にお金と時間の節約にもつながるということをご存知ですか?

◎ 治療費の差は歴然

症状処置内容費用の目安
初期虫歯フッ素塗布・経過観察数百円〜
中程度虫歯詰め物(レジン)2,000円〜3,000円程度
進行虫歯神経治療+被せ物2万〜10万円以上

定期検診で早期発見できれば、少額かつ短期間で済むのです。

◎ 医療費が少ない人の共通点は「予防意識が高い」

厚生労働省や各種保険会社の調査でも、定期検診を受けている人の方がトータルの医療費が少ないというデータが出ています。
また、高齢になっても自分の歯が多く残っている人ほど、食生活・栄養・健康寿命にも好影響を与えることがわかっています。


■ まとめ:あなたの人生に「歯の定期検診」は必要です

「痛くなってから歯医者に行く」のではなく、
「痛くならないように歯医者に行く」。

これが、これからの時代の新しいスタンダードです。

検診で異常なしとされても、そこには限界があります。
大切な歯を守るために、そして将来の医療費や治療時間を抑えるためにも、3〜6ヶ月に一度の定期検診を習慣にしていきましょう。

あなたの未来の笑顔と健康のために、ぜひ今日から行動を始めてみてください。

枚方市の北川歯科医院では、3ヶ月に1度の定期検診をお勧めしております。
「最近歯医者行ってないな」
「なんだか右下の奥歯が気になるな」
そんな際はぜひご予約いただけましたらと思います。