”なぜ“痛くないうち”に歯医者へ行くべきなのか?

知らないと損する「予防歯科」の本当の価値**

「痛くなったら歯医者へ行く」
日本ではこの考え方がとても一般的です。

しかし、歯科医療の現場では昔から
「痛くないうちに来てほしい」
「なんかおかしいと感じたら早めに受診してほしい」
というのが本音です。

今回はその理由を、初めての方でもわかりやすく、そして高齢の方やさまざまな年代の方にも読みやすい形でお伝えしていきます。


1. 痛みが出る時は、すでに“かなり進行している”ことが多い

歯のトラブルで代表的なのがむし歯と歯周病ですが、どちらも
痛みが出る=末期に近い状態
であることが珍しくありません。

● むし歯の進行と痛み

むし歯は、歯の表面(エナメル質)→内側(象牙質)→神経へと進行します。
実は初期のむし歯は、
全く痛くありません。
また虫歯は基本的に歯と歯の間の接触点や、溝の一部からスタートし、内部で急激に広がります。
その結果見た目はとても小さいむしろ見た目ではわからないのに、とても大きな虫歯になっているケースがあるのです。

神経に近づいてくると
「冷たい物がしみる」
「噛むと痛い」
などの症状が出ますが、その段階ではすでに
中〜重度のむし歯(C2〜C3) に分類されます。

※象牙質:歯の内部にある組織で、神経に近いため刺激が伝わりやすい。

つまり、
「痛みが出たから歯医者に行く」というのは、
重症になってから受診している
ということなのです。

風邪や体の不調も同様に、重症な状態になってから病院を受診すると、治癒までに非常に時間がかかってしまったりする場合が多いと思います。
なるべく軽症のうちに、診断、治療を開始することが、自分の体を守ることにつながります。


2. 痛みが出てからだと、治療が大きくなる

痛みの出る段階まで進んだむし歯や歯周病は、
治療の規模も大きくなる傾向があります。

具体的には以下のような違いが出ます。

● 初期(痛みなし)のむし歯治療

  • 治療回数:1回
  • 削る量:最小限
  • 費用:安い
  • 痛み:ほぼなし

● 痛みが出てからの治療

  • 神経を取る治療(根管治療)が必要になることが多い
  • 治療回数:3〜6回以上
  • 費用:高くなる
  • 被せ物の作製が必要になる
  • 歯の寿命が短くなる

同じ“むし歯”でも、痛みがあるかないかで、
治療のコストも時間も、歯の寿命も大きく変わる
ということがポイントです。

歯周病も同じで、痛みが出る頃にはすでに歯がグラついていたり、重度の炎症が起きています。

歯周病が重度に進行している場合、治療方法が抜くしかないという診断になってしまう場合もあります。
歯周病の歯を残すメリット、デメリットに関してはこちらの記事を参考にして下さい。


3. 歯医者に早く行くと「痛い治療」が減る

多くの人が歯医者を避ける理由は
「痛いのが嫌」
「怖い」
「苦手」
といった感情です。

ですが実は、
早めに来院した人ほど“痛くない治療”で済みます。

例えば…

● 早期発見 → 最小限の処置

→ 麻酔なし
→ 削る量少ない
→ 1回で終わる
→ 痛みなし

● 放置 → 炎症悪化

→ 麻酔が効きにくくなる
→ 神経治療や抜歯の可能性
→ 複数回の治療
→ 費用も上がる

つまり、歯医者が苦手だからこそ
「痛くないうちに行く」ほうが楽
なのです。

実は歯科医師側としても同様に、痛みがなく小さい処置の場合予約をして自分の治療時間を確保した状態で自分の治療に集中することができるので、高いパフォーマンスを発揮することができます。

一方「痛い!」「なんとかしてほしい!」という状況は突如としてやってきます。
そして急に予約なしで来院されたりする場合、他の予約患者さんの隙間をぬって診察する必要がありますので、時間に追われて処置する必要が出てきます。
また痛みが出ている場合は麻酔が効きにくかったり、十分な時間をかけて治療することが困難になる場合もあります。

もちろん歯の痛みやトラブルはいきなり突発的に起こることが多いのですが、できる限りしっかり対応するためには、事前に自分のお口の中の状況を把握しておくと、いざ治療が必要になった場合でも状況把握を一からする必要がなくなり、その分処置に時間をかけることができます。


4. 歯周病は“痛みが出る頃”には手遅れになりやすい

歯周病は「サイレントディジーズ(静かなる病気)」と呼ばれ、
自覚症状がほとんどないまま進行します。

※歯周病:歯を支える骨が溶けていく病気で、日本人の成人の8割がかかっていると言われています。

痛みが出る頃には、すでに歯を支える骨が大きく失われていることが多く、
抜歯になるケースも少なくありません。

症状が出にくい病気だからこそ、
痛くない時こそ検診が必須
なのです。

歯周病に関してはこちらの記事に詳しく書かせていただきましたので、よければ御参照ください


5. 予防目的の通院は“治療”よりもはるかに楽で経済的

痛みがない時の通院は「定期検診」と呼ばれます。

これは“治療”ではなく、
歯を守るためのメンテナンスです。

◎ 定期検診のメリット

  • むし歯・歯周病の早期発見
  • 歯石除去で口臭予防
  • 歯の寿命が延びる
  • 治療費が抑えられる
  • 通院頻度が少なくて済む

特に高齢者の方は、
歯の本数=健康寿命に直結
していることが数々の研究でわかっています。

80歳で20本以上歯が残っている人は、

  • 認知症リスクが低い
  • 食事が楽しめる
  • 体力が落ちにくい

などのメリットがあります。

また定期検診を受診している人は年齢の上昇に関係なく、歯の残存数が多いという研究データも出ております。


6. 痛みがなくても「受診の合図」になるサイン

痛みがなくても、以下の症状がある場合は早めに受診しましょう。

  • 朝起きた時に口がねばつく
  • 冷たいものが少ししみる
  • 歯ぐきが腫れやすい
  • 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
  • 口臭が気になる
  • 歯の色が変わってきた
  • 以前より歯みがきで血が出る

こうした症状は“軽い不調”に見えても、実は
病気の初期サインであることがよくあります。

放置すると大きな治療につながるため、気付いた時点で受診がおすすめです。


7. 定期検診の頻度はどれくらい?

一般的には
1〜3ヶ月に1回
が理想的です。

  • むし歯ができやすい方
  • 歯周病のリスクがある方
  • 糖尿病の方
  • 喫煙者
  • 高齢者

これらの方は歯周病が進行しやすいため、
3ヶ月に1度の検診が推奨されます。


8. “痛くないうち”に行く人ほど、生涯の治療費が安くなる

意外な事実ですが、
定期的に歯医者に通う人は、通わない人よりも治療費トータルが安い
というデータがあります。

理由はシンプルで、

  • 小さなむし歯で止められる
  • 歯周病が進行しない
  • 大きな治療が必要なくなる

からです。

痛みが出てから治療すると
“その場しのぎ”の治療になりがちですが、
予防中心の通院では
歯の寿命を長く保つことが最大のメリットです。


まとめ:痛くない時こそ歯医者に行くべき理由

最後にポイントを整理します。

  • 痛みが出る頃には病気はかなり進行している
  • 治療が大きく、費用も時間も増える
  • 歯医者が苦手な人ほど早めの受診が楽
  • 歯周病は痛みが出る頃には手遅れになりやすい
  • 予防の通院は痛くないうえに経済的
  • 定期検診は3〜6ヶ月に1回
  • 結果的に生涯の治療費が安く、歯が長持ちする

歯を守る最も確実な方法は、
「痛い時に行く」のではなく「痛くなる前に行く」ことです。

ぜひ、これを機会に一度チェックにいらしてください。
早めの受診が、歯を守り、健康を守る一番の近道です。

北川歯科医院では定期検診、歯のクリーニングのご予約を受け付けております。

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