「忙しくて歯医者に行けなかった」

歯の管理が下手な人ほど“損”をする理由
――生涯医療費を左右する歯の健康――

今回はこちらの記事を引用しながら、枚方市の北川歯科医院 副院長北川祐介がどのように歯とお口の健康について考えているかについてお話ししていきます。


忙しくて歯医者に行けない人が増えている現実

「仕事が忙しくて歯医者に行けなかった」
「痛みがそこまで強くなかったから様子を見ていた」

歯科医院で、私たちが日常的に耳にする言葉です。
現代は仕事・家事・育児と、誰もが忙しく、歯医者はどうしても後回しにされがちです。

しかしこの「後回し」が、将来の医療費・健康・生活の質に大きな差を生むことをご存じでしょうか。

確かに当院に初めてかかられる患者さんにも開口一番「私、歯医者嫌いなんです!」といきなり言われることがあります。
正直に申し上げてそう言われて良い気分の人はいないと思いますが、確かに過去の歯科医院のイメージは『痛い』『怖い』『しんどい』『つらい』など負のイメージが多かったことは事実だと思います。

しかし、現代の歯科医療は進歩しています。
なるべく痛みを感じさせない麻酔の方法や、治療内容の説明を納得感もって進められるなど、従来の歯科のイメージから脱却しようと日々診療しています。


「痛くないから大丈夫」が一番危ない理由

虫歯や歯周病は、初期段階ではほとんど症状がありません
痛みが出たときには、すでにかなり進行しているケースも少なくありません。

なかなか自分で気づきにくいのが虫歯や歯周病などお口のトラブルの困った点です。

大抵の場合ご自身で感じるほど、痛みがある、穴が空いている、歯がグラグラするなどはそれなりに重症であることが多いです。

歯の病気は、自然に治ることはありません。
気づかないうちに少しずつ進行し、ある日突然「取り返しのつかない状態」になることもあります。


歯の治療は後回しにするほど生涯医療費が増える

初期の虫歯の場合

・短時間の治療
・通院回数は1〜2回
・費用も比較的少額

放置した虫歯の場合

・神経の治療が必要
・被せ物や土台の作成
・通院回数が増える
・治療費が大幅に増加

さらに進行すると、最終的には抜歯が必要になることもあります。

抜歯になるとより治療回数や費用がかかってきます。
ブリッジやインプラント、義歯などを作成する場合は数万円〜数十万円のコストがかかってきます。

「忙しくて行けなかった」という判断が、
将来、より多くの時間とお金を失う原因になるのです。


歯を失うことで一生かかる“見えないコスト”

歯を失った後は、
・入れ歯
・ブリッジ
・インプラント
などの治療が必要になります。

これらは一度治療して終わりではなく、
・定期的な調整
・修理や作り替え
・トラブル対応
が生涯にわたって必要になります。

歯を1本失うことで、数十万円〜100万円以上の差が出ることも珍しくありません。


歯の健康が全身の健康と深く関係している理由

歯の健康は、お口の中だけの問題ではありません。
特に歯周病は、全身の病気と深く関係していることが分かっています。

・糖尿病
・心筋梗塞
・脳梗塞
・誤嚥性肺炎

歯周病による慢性的な炎症は、血管を通じて全身に悪影響を及ぼします。

つまり、歯の管理が不十分だと、
将来の医療費全体が増えるリスクも高くなるのです。


歯の本数が将来の生活の質を左右する

高齢期になると、歯の本数によって大きな差が生まれます。

歯が多く残っている人

・しっかり噛める
・食事を楽しめる
・栄養状態が良い
・健康寿命が長い

歯が少ない人

・食べられる物が限られる
・柔らかい炭水化物中心の食事
・低栄養・筋力低下
・認知症リスクの増加

歯は「食べるため」だけでなく、
人生の後半を元気に過ごすための重要な要素なのです。

特に歯科医師をしていて、おじいちゃんおばあちゃんと接する時間も長くなるのですが、どれだけ素晴らしい義歯やインプラントを入れたとしても、「自分の歯に勝るものはない」、「もっと若いうちに歯を大事にすればよかった」とおっしゃられます。

私自身は歯科医師になって10年以上は経っておりますが、先人たちの虫歯大洪水時代に今のような歯を大切にする文化や考え方がなかなか浸透しなかったのも無理はないかなとも思います。


忙しい人ほど「歯の治療」より「歯の管理」が重要

忙しい方にこそ知っていただきたいのが、
歯科医院は「治療する場所」ではなく、
「管理する場所」だという考え方です。

・定期検診
・プロによるクリーニング
・小さな異変の早期発見

これを習慣にしている方は、
大きな治療がほとんど必要ありません。

結果的に、
通院回数も少なく、医療費も抑えられるのです。


歯科医院は「治す場所」から「守る場所」へ

私たちは、
虫歯をどれだけ綺麗に治せるか、
どれだけすごいインプラントができるか、
それだけを追い求めたいとは考えていません。
もちろんそれは当然として高めていくべき知識やスキルではあります。しかしそれだけではいけないと思います。

本当に大切なのは、
そもそもお口の中のことで困らない状態をつくることだと考えています。

痛みが出てから通う歯科医院ではなく、
困る前に通う歯科医院でありたい。


お口の健康を「管理する場所」でありたい

歯科医院は
「歯が痛くなったら行く場所」
ではなく、

・トラブルが起きないかを見守る
・小さな変化を早めに見つける
・一生自分の歯で食事ができるよう支える

お口の健康を管理する場所でありたいと考えています。

定期的な管理によって、
大きな治療を避けることができ、
時間もお金も、そして不安も減らすことができます。


まとめ|歯の健康管理は生涯で最もコスパの良い自己投資

「忙しくて歯医者に行けなかった」
この一言が、10年後・20年後のあなたの生活を大きく左右するかもしれません。

でも今からでも遅いということはありません。

歯の健康は
・生涯医療費
・健康寿命
・生活の質
すべてに関わる、最もコストパフォーマンスの高い自己投資です。

ご自身の体は決して乗り換えのきかないたった一台の車であり、その1台を死ぬまで乗り続ける必要があります。ですのでその車が生涯にわたって走り続けることができるように、定期的なメンテナンスが必要なのは当然のことです。

当院は、治療のための歯科医院ではなく、
お口の健康を一緒に守り続けるパートナーでありたいと考えています。

歯のことで困らない人生のために、
ぜひ「管理」のために歯科医院をご活用ください。